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地域への思いと現実

この日は、石巻の社会福祉協議会の事務所へ。
この事務所にはボランティアセンターは勿論、
地域の支援を行っている団体も入っています。

そのうちの一つ、
石巻仮設住宅自治連合会にお伺い。
実はこちらの役員さんから相談がある、
という話を受けて、こちらに来てみました。。

石巻仮設住宅自治連合会には、、
現在35団地が加入しています。。
その合計は、
約3000世帯、
約8000名が暮らす仮設住宅の自治会の集まりです。

彼らは、地域住民のそれぞれの問題を解決する努力は勿論、
今後の復興住宅への移住、そして自立へ向けた活動を
地域自らの手で行っています。

この連合会が取り組んでいるものの中の一つに
「今回の震災におけるハザードマップ」
「地域住民の声が残るアーカイブ(保存資料)作り」
を自らの手で作っていこう、
というものがあります。

とくにアーカイブに関しては、
ほとんどの場合が被害の直接的な状況を記録するものが
ほとんどであり、
現時点において避難所での暮らしや、生活のストレス、
トラブルの実例など、地域の現状が反映された
アーカイブというものは存在していません。
実際に被災され、避難生活、仮設暮らしを経験されている方だからこそ
分かる情報の収集は今後起こりうる震災の発生時の、
適正な支援の方法の提供や、
住民の生活支援の一助となります。

さらに、
仮設住宅というさまざまな地域で被害に遭われた方が
一堂に集まっている今の時期だからこそ、
その情報を集めやすいという利点はあります。
そして、それらの情報を行政の方や、嘱託の方が聞いて回るのではなく、
同じ仮設に住む方、つまり同じ経験をされている方が
情報を集めることで、
厳しい話も話しやすい環境にあるのも事実です。

とは言え、
決して楽な道のりではなりません。
相当な人手も必要としていますが、
一番のネックはやはり経済的な問題です。

8000人近い住民のサポートを行いながら、
アーカイブの作成をする。
とても片手間でできる仕事とは言い難いものがあります。
ほぼ専従で行わなければ完成するのは厳しいと思います。
しかし、そこに力を入れ続けられるほど、
経済的にゆとりのある人はそういません。。

支援の手が徐々に細くなる中で、
自分の地域を何とか復興させたい、
という思いと、
自分の家族の生活を守るために働かなくてはならない
現実と、、

真剣に地域の復興を願う人ほど、
その板挟みにあっています。
今回の相談も、そこから生まれている事です。
何か、やるせない感はあります。

それでも地域の皆さんは、何とか前向きに
進んで行こうと頑張っています。
アドバイスは勿論ですが、それだけでなく
これからも出来る限り、
応援したいと思います。

震災から2回目の冬を迎える今、
被災地は気候だけでなく、
経済的にも厳しい状況を迎えています。

そんな状況だけでも知っておいて頂ければ、
とても嬉しいです。

地域への思いと現実 への2件のフィードバック

  1. 増田純一

    大変な量の作業なので、できる人ができることを担って
    進めていけたらいいですね。

    アーカイブについて、お話を聞かせてください。
    協力できるかもしれません。

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